妊娠生活の注意点!妊婦さんとお腹の赤ちゃんが健康に過ごすために


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妊娠中の注意点!日常生活で気をつけるべきポイントは?

「妊娠おめでとうございます。」
あなたの命はこれから赤ちゃんと一緒です。そっとお腹に手を当ててみてください。あなたの手のぬくもりを赤ちゃんはきっと感じとってくれるでしょう。

「妊娠は病気ではありません。」とは良く言われる事ですが、妊娠中女性の体は著しく変化していきます。

妊娠期間は約10か月(約40週前後)日にちでいうと280日という期間です。
妊娠期間が長いか短いか、人によって感じ方はいろいろでしょうが、この間に始めは0.1mmの受精卵が3000g50㎝の大きさまで成長します。その間、母体となる妊婦さん身体では子宮50gから1kgへ、血液量は妊娠前の約1.5倍へ、そして体重7~10kg増加します。

この劇的に変化する、そしてその子にとっては1度限りの妊娠期間、その大切な命をまもり、妊婦さんもお腹の赤ちゃんも心地よく過ごすためには、いくつかのポイントと注意点があります。
みなさんが無事に出産を迎えられ、母と子の時間へと歩んでいけるよう今回は妊娠生活の期間中の注意点について妊娠初期・中期・末期(後期)の3つのステージごとにご紹介します。

妊娠初期(妊娠0週~妊娠15週)赤ちゃんは40g~100gへ

◆つわりを乗り切る

この時期はとにかく「空腹をさけ、食べたいものを食べたい時に、少しずつ食べる」ことが大切。
妊娠初期の赤ちゃんはまだ小さいので、ママの持っている栄養で十分です。
赤ちゃんのために「栄養を取らなきゃいけない!!」と神経質になるより、つわり対策を積極的に行うことが重要です。
もちろん「つわり」は症状も持続期間も人それぞれなので、ほとんど何にも症状がなく毎日普通に過ごせる方もおられます。

でも、多くの方に「吐き気・唾液が多くなり飲み込み辛くなる」などの症状が現れます。その様な症状が現れたら、「空腹をさけ、食べたいものを食べたい時に、少しずつ食べる」方法で乗り切りましょう。

①できるだけ空腹にならないようにする。(ベッドサイドにクッキーをおく。)
②冷やして食べる。(冷ややっこ・シャーベットは最適)
③味の薄いものを食べる。
④柑橘系は少しずつ食べる。
⑤食べられるものでよい。(フライドチキン・カレーライスなどはお好みで)
⑥無理して食べない。

まれにですが、つわりがひどくて治療が必要になる方がおられます。それを「妊娠悪阻」といいます。水も飲めないような状態では治療が必要で、頑張って食べようとするとさらに状態が悪化します。このような状態では我慢せずに病院を受診することをお勧めします。

「私は毎日吐いているけど、これって治療が必要ですか?」というお問合せもありますが、吐いてしまっても、しばらくして何か食べたくなる。水分はとれる(清涼飲料水でもok)場合は心配ないです。「アイスクリームしか食べられません。」これもOKです。何度にも分けてお腹を壊さない程度に、アイスクリームを食べてください。

その他に、葉酸を摂ることもおすすめです。葉酸サプリメントは厚生労働省も進めている栄養補助食品で、食事からは摂取しにくい葉酸を補うことで胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低減すると言われています。
つわりがひどい方は無理して飲む必要はありませんが、つわり症状の軽い方、症状が軽減してきた方は、早めに摂取を始めることをお勧めします。

◆下腹部痛や出血には注意が必要です。

この時期はまだまだ不安定な時期ですが、月経のような出血がおこるのは普通の状態ではありません。万一出血がおこれば、夜中でもかかりの病院へ連絡し、受診をお勧めします。そのような症状が起こったら、赤ちゃんへの影響が心配になる方も多いかと思いますが、ともかくまずは落ち着いて病院に行き、出血の原因を調べた上で適切な治療をしてもらいましょう。

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妊娠中期(妊娠16週~27週)赤ちゃんは1000g

妊娠中期は、いつの間にかつわりも楽になってきて、ママの体調は安定してくるころ。お腹の赤ちゃんへの愛しさがどんどんわいてくる時期です。
妊婦さんの体形の変化もゆるやかに起こり始めますが、まだまだ日常生活に支障がでるほどではありません。もしお出かけや旅行を考えておられるならば、この時期が良いでしょう。

この時期は「安心できる安定期」とよく言われますが、全く注意が必要ないかといえば、そうではありません。
妊娠全期間を通して「安定期といわれる時期はない。」とも言われています。この時期から気を付けなければならないことは、妊娠高血圧症候群・早産・妊娠糖尿病・貧血・感染症・事故など多くあり、予防と注意が必要です。そのような注意点を項目ごとにお話ししていきましょう。

◆行 動(事故予防・早産予防)

「動作は1つずつ。動きは二段活用」
徐々にお腹も大きくなり、俊敏な動きができづらくなりますから、
靴を履きながら、歩き出したり、椅子から立ち上がりながら、ものを取ったりという
動きはバランスを崩してしまい危険です。

また、椅子から立ち上がる時、棚や机に軽く手を置いてから立ち上がることで腹圧をかけないようにすることもポイント。
ベッドから起き上がる時は「一度横向きになってゆっくり起き上がる」など動きにワンステップ加えて行うと、急な腹圧を防ぐうことができます。頻繁に腹圧をかけることで、子宮内圧が上昇し、負担がかかってしまうと、お腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼすことがあります。さらに感染などの要因が加わることで早産の原因にもなりますのでご注意ください。

◆散 歩

散歩をするときは、動きやすく明るく目立つ服装で安全に気を付け、自分のペースで歩くと良いでしょう。妊娠中に適度な運動をすることは、体重増加予防やストレスの発散、血流促進等妊娠高血圧症候群の予防効果も期待できるといわれています。
ただ、安全のため時間帯はできれば夕方より、午前中が良いでしょう。
もしも散歩中に下腹部の張り(便秘時の様な、または軽い生理痛のような感じ)を感じられたら、立ち止まる・ベンチに腰掛けるなどして安静にしましょう。

◆姿 勢

妊娠週数がすすんでくるとお腹の赤ちゃんの成長とともに、妊婦さんのお腹や胸は大きくなり、その結果なバランスをとろうとして胸とお腹を前につきだす、いわゆるマタニティースタイルになってきます。そのため腰に負担がかかり、腰痛を訴える妊婦さんも多くいらっしゃいます。
また、お腹が大きくなってくると腰痛の症状が出てくることも多くあります。

腰痛予防としては妊婦体操やマタニティースイミング等も良いようですが、まずは毎日愛用される靴を見直してみられるのも良いでしょう。
選ぶ基準としては、妊婦さんには靴のかかとが3~4cm高くなっているものが良いでしょう。もちろん滑りにくくヒール面積がしっかりとあり、安定したものをおすすめします。これで姿勢のバランスをとりやすくなります。

ヒールの全くないペタンコの靴はダメということではないですが、腰痛予防にはペタンコ靴では役不足です。
特にお腹の出っ張りが目立つようになってからは、身体の重心位置は前方にかたよってきます。すると、妊婦さんは自覚なくいつの間にか腰を後ろに反らせた姿勢になり、これが腰痛の要因になります。それを軽減するにはペタンコ靴より3~4cmヒールがある靴の方が適切なのです。

◆歯医者

妊娠するとホルモンの影響で、虫歯になりやすい口腔内環境になるといわれています。
つわり症状がなくなってきたら、お腹が大きくなる前に歯医者さんを受診しましょう。お腹が大きくなると仰臥位低血圧症候群の症状が現れやすくなり、仰向けになって治療を受けることが難しくなります。できるだけ中期の早いうちに受診しましょう。

◆性行為

妊娠中も流早産の症状がなければ特に制限の必要はありませんが、妊婦さんの身体と心を思いやりながらおこなってください。

◆食 事

つわりがなくなると途端に食欲が戻ってきて、妊娠初期に体重が減った方はリバウンド的に体重増加がおこる妊婦さんもおられます。毎日の体重測定で食べ過ぎを予防しましょう。また、この時期からは塩分は控えめにし、妊娠高血圧症候群の予防をおこないましょう。便秘予防には根菜類しっかりとり、同時に水分を摂ることが大切。緑黄色野菜を意識的に食事に取り入れた、一人分の量のお食事をされると良いでしょう。赤ちゃんの分の付加としては、おやつ(間食)としてレーズンやヨーグルト・小魚等(こちらも普通サイズ)、で十分に付加量は補えます。

妊娠中はご自分一人の栄養ではありません。妊婦健診直前のダイエットは禁物です。食事は主食を中心として、必要なものはしっかりと召し上がってください。
また、妊娠中のハーブ類の使用も食材として、調味料として活用していただくものにかんしては特に制限はありません。ハーブティーも食後の1~2杯は問題ありませんが、水分補給として、一日中飲まれるのはお勧めできません。(コーヒー・紅茶)に関しても同じです。

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妊娠後期(妊娠28週~出産まで)赤ちゃんは3000g

妊娠末期も基本的な生活上の注意点は妊娠中と変わりなく、日常生活行動や姿勢に気をつけていれば問題ありませんが、食事では、特に塩分の摂りすぎに注意が必要です。
また、妊婦さんはこの時期、食事に注意していても、健康トラブルが起こる場合があります。

この期間に貧血になってしまう方、お腹が張りやすく切迫早産と診断される方、妊娠性高血圧症候群と診断される方など、治療を必要とする事態になられる方も少なくありません。そのような診断をされた場合は、お医者様で処方されたお薬はきちんと内服しましょう。心配なあまり市販薬や漢方薬をご自分で購入されて、飲まれることはお控えください。また、妊娠中の薬の悪影響が心配で、処方薬の内服を躊躇される方もおられますが、そのような心配は自分一人で悩まず主治医や助産師に相談しましょう。

◆外 出

ご自分の生活圏での外出は問題ないですが、遠方への外出はお控えいただく方が良いでしょう。特に37週以降は陣痛がおこる・破水がおこるといった分娩のはじまる時期でもありませので、注意が必要です。
里帰り出産で飛行機移動が必要な方は、必ず主治医へ相談しましょう。場合によっては診断書が必要になることもあります。

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運転や運動はNGって本当?いつから気を付ければいいの?

◆運 動

基本的に妊娠前から行っていた運動については、制限する必要はありません。
ただ、急激な腹圧がかかるようなスキューバダイビングやスカイダイビング、ウエイトリフティングなどといった種類は避けられた方が良いでしょう。
また、妊婦さん用にアレンジされたスイミングやヨガ、ウォーキングなどは体調がよければ妊娠全期間を通して行っても問題ないですが、必ず主治医または助産師へ話しましょう。
「自分の体調は自分が一番よく知っている。」と言われますが、切迫早産の兆しがあるかどうかは妊婦さん自身ではわからないものです。その様な兆しがあればいくら元気でも、運動はやめた方がいいでしょう。

◆乗り物・運転

車の運転は基本的には制限はありませんが、つわりや出血、下腹痛、陣痛など体調に変化がある場合は、運転に集中できないので危険です。
また、シートベルトは安全のためにも必ずつけるようにしましょう。
長距離のドライブは、血流が悪くなるので適当な休憩と、水分補給、車外へ出向き血液循環を良くすることをお勧めします。

◆自転車

自転車は生活に根差した乗り物ですので、簡単にやめてしまうわけにはいかないでしょうが、お腹が大きくなるとバランスが悪くなり、転倒の危険もでてきます。
自転車での転倒はお腹へのダメージが心配されます。この際、楽しんで歩いて行ける範囲であれば、歩行をおすすめします。やむなく使用される場合でも、バランスが悪くなってきたと思われたら、お止めいただく方が賢明です。

◆バイク

自転車と同じですが、通勤などで使用されている場合は、先ずはそれに代わる物は無いかどうかを考えてみましょう。お二人分の命です。便利より安全を優先しましょう。

◆電 車

特に乗車での制限はありませんが、つわりの時期での満員電車での移動はとてもたいへんです。途中下車しトイレの利用しやすい駅の情報を得ておかれると安心です。また、通勤時間を調整することができれば、できるだけ着席できる電車をご利用されるのも良いでしょう。

◆新幹線 

特に乗車での制限はありませんが、同じ姿勢で行動が制限されますのであまり長時間にある場合は、安全な範囲内で下肢の運動を行ったり、着席姿勢を変えたりといった配慮も必要です。

◆飛行機

飛行機の機内は気圧の変化や酸素濃度、湿度の低下、揺れ、また座席に着席していなければならないなど、普通の生活とはその環境はずいぶん違います。そのため、飛行機に乗る際には、事前に必ず主治医に相談されることをおすすめします。また、場合によっては診断書が必要になる場合がありますので航空会社で確認されると良いでしょう。

温泉旅行は行っても大丈夫??

◆温 泉

昔から「妊婦の温泉はダメ」と言われてきました。しかし、その考えには医学的根拠はなく、2014年1月以降見直されるようになり、妊婦さんも温泉に入れるようになりました。でも、まだまだ温泉施設によっては、その変更が浸透していないところもあるようです。お出かけになる場合は、ご利用予定の施設で、確認されることをおすすめします。その他、妊婦さんが温泉をご利用される際の注意点は以下の6つです。

① 事前に利用できるか確認しておく。(ホームページ等)
② 妊娠初期はさける。
③ 滑らないよう注意する。
④ 長湯しない。のぼせない。
⑤ 水分補給をする。
⑥ お肌が敏感になっておられる方は注意する。

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食べ物や食事法も変えた方がいい??外食はやめた方がいいの?

妊娠中の食事量は今の時代では一人分で十分です。赤ちゃんの分もと二人分はNGです。

葉酸を摂るためにはサプリメントをお勧めしていますが、サプリメント類の多くで栄養管理を行うのでなく、下記の内容に気を付けて栄養基本は食事からとりましょう。

① 妊娠全期間を通して食事量はお一人分。
② 鉄分とカルシウムは意識して食品選びをしましょう。
③ 外食は工夫したメニュー選び楽しみましょう。
④ 気を付けるのは塩分!メニューに表記されていれば1食当たり3gまでのものを選びましょう。
⑤ 食べ過ぎを注意でスマホアプリやスマホで写真撮影して管理しましょう。

◆外 食

妊娠中でも外食、単純に外食もまたには外食もしたいですよね。特に、結記念日やお誕生日などはちょっとお出かけして食事を楽しみたいという方も多いかと思います。体調が良くてウキウキしていけるところなら問題ないですが、いくつか注意点をご紹介しましょう。

妊娠初期の“つわり”症状のある方は、少し先送りにして楽しみをとっておかれると良いでしょう。なんせ、この時期は突然の吐き気、食事嗜好の変化がおこりやすい時期です。せっかくのレストランで素敵な食事を前にしてトイレに駆け込む、なんて事もありえます。

妊娠中期以降の方で、食事制限のない方は外食を楽しんできてくだい。
食事の塩分に注意する場合は、スープ類は控えめにされると良いでしょう。肉類は火の通ったもの、魚介類も衛生的で食中毒に危険のないものが良いでしょう。
「大丈夫かな?食べてみよう!」はダメです。迷ったら安心できる方を選択してください。

感染症やウイルスにかかりやすいって本当!?妊婦さんが注意すべき病気は?

妊婦さんは妊娠中の全期間を通して、免疫力が若干弱くなっています。
インフルエンザをはじめ風疹・風邪・食中毒等に対しても、妊娠していない時に比べるとかかりやすい状態です。また、感染症を患ってしまうことは、妊婦さん自身の問題だけでなくお腹の赤ちゃんへの影響も懸念されますので、下記のような対策をおこないましょう。

①外出から帰ったらまず手洗い・うがい。
②新鮮な食品を衛生的に調理し、出来立てのお食事をお召し上がりください。
③妊婦健診はきちんと受診し、医学的な知識を持って対処する。
(インフルエンザ予防接種など)

妊娠中に気をつけるべき病気は以下のようなものがあります。

◆風 疹(三日はしか)

風疹ウイルスに感染することで発症する病気で、発疹・発熱・リンパ節の晴れ・関節痛といった症状が現れますが、症状には個人差があり症状が軽く自覚することなく感染していることもあります。妊娠初期検査は必ず風疹抗体価を調べますが、妊婦が妊娠初期に風疹にかかると胎児に先天性風疹症候群(白内障・心臓病・難聴など)や流早産の危険性高まります。妊娠中のワクチン接種はできませんので、妊娠を考えたら早めに接種をしましょう。自治体によっては助成制度がある場合もありますので、ご確認ください。

◆B型肝炎

肝臓に炎症をおこす肝炎ウイルスによる感染です。
このウイルスに感染していると、将来10~15%の方がB型肝炎を発症する事があると言われています。感染しても肝炎を発症していなければ自覚症状がなく、自分がB型肝炎ウイルス保菌者であることを検査によってはじめて認識される方もおられます。
赤ちゃんへの感染は、多くの場合分娩時に感染が起こることが判明しており、感染の可能性がある場合は、出生後に赤ちゃんへの免疫グロブリン接種とその後のフォローによりがおこなわれ、処置します。る仕組みが出来上がっています。

◆C型肝炎

肝臓に炎症をおこす肝炎ウイルスによる感染です。
このウイルスに感染していても肝炎を起こさない限り、自覚症状がないままに経過していることが多く、妊婦健診時の検査で自認されることが少なくありません。
妊婦が感染していると分娩時の産道感染の可能性もあり、場合によっては帝王切開が選択されることもあります。

◆HIV

このウイルスに感染すると、免疫の働きが非常に悪くなり、カビや一般的には病気を起こさないウイルスによって病気を引き起こしてしまうことがあります。これを後天性免疫不全症候群(AIDS)と言います。ただし、HIVに感染すれば必ず後天性免疫不全症候群(AIDS)になるのかといえば、そうではありません。現在では、適切な治療を続けることによってAIDSを発症することなく社会生活が行えるようになってきています。
妊婦から胎盤を介して胎内感染、出産時の産道感染、母乳からの母乳感染によって胎児や赤ちゃんに感染がおこる場合もありますが、検査で感染の有無を確認し適切な対策を講じることにより、赤ちゃんへの感染を防ぐことができます。

◆梅毒

性感染症に分類されるもので性行為によって感染がおこります。
感染すると胎盤を通して胎児へも感染することがあり、重篤な影響がでることもあります。また、流早産の危険性も高まります。妊婦健診時の血液検査で感染していることがわかれば、妊娠中から治療が開始されます。

◆HTLV-1

成人T細胞白血病のウイルスへの感染で感染者の多くは病気を発症しないままに一生を過ごすことができますが、約5%の方は成人T細胞白血病やHTLV-1による骨髄障害を発症することがあると言われています。多くは母乳を介して感染がおこると言われていますので、哺乳方法の相談が行われます。

◆トキソプラズマ症

寄生虫のトキソプラズマに感染することによって起こります。感染すると流早産の危険性が高まり、胎児の脳や目にも悪影響がおこります。ペットのフンの処理を素手で行わないようにする。処理後は速やかに手を洗うことに心掛けることは勿論ですが、生肉にも寄生していることがありますので、妊婦さんは生肉ではなく加熱したものを食べましょう。
妊婦健診時の血液検査で感染していることが判明すれば、治療が開始されます。

◆B群溶血性連鎖球菌(GBS)

この細菌はもともと常在菌で、約2割の妊婦さんが保菌していると言われ、保菌者である妊婦さん自身は無症状です。ですが、出生時に赤ちゃんが産道で感染すると、新生児肺炎等の重篤な状態に陥ることがあります。また、早産の可能性も高くなってしまいます。そのため妊婦さんは必ず検査を行い、保菌者であるか否かを確認します。保菌者である場合は産道感染が起こらいように、陣痛開始と同時に抗生物質の投与等の処置が行われる事がありますので、入院のタイミングに気をつけましょう。

◆性器クラミジア感染症

若年層の女性に増加傾向の性感染症です。
感染していても自覚症状はないことが多く、不妊症や子宮外妊娠の原因とも言われています。妊娠中に感染すると、流早産の危険性がたかまり、赤ちゃんが産道感染することで新生児肺炎や結膜炎を起こすこともありあます。

◆リステリア菌

食中毒をおこす細菌です。この菌は塩分にも強く冷蔵庫でも増殖するため、チーズや生ハム、スモークサーモンなどから感染しますが、加熱することで防ぐことができます。
免疫力の低下した妊婦さんは少量の菌でも発症することがあり、症状も重くなりやすいです。
また、流早産の原因となることもあります。

◆伝染性紅斑(りんご病)

感染して1~3週間後に発症します。頬が赤くなることかた「りんご病」と言われ幼児に多くみられる感染症で、感染力は強くないと言われています。ですが妊婦が感染すると胎児に悪影響を及ぼす場合もあり、また流早産の危険性が高まります。予防接種もありませんので予防としての手洗い、うがいで予防しましょう。

◆水痘(水疱瘡)

妊婦さんが免疫をもたず初めて感染すると、低体重児や白内障、皮膚の萎縮がおこる場合もあり、流早産の可能性が高まります。

◆性器ヘルペス

性感染症に分類されるもので性行為によって感染がおこります。
感染すると外陰部に水疱やかぶれがおこります。以前に感染したことのある方は妊娠中に、症状が再発すことがあり、赤ちゃんが出生時に産道感染すると肺炎や脳炎をおこすこともあるため、それを防ぐために帝王切開が選択される場合もあります。

◆尖圭コンジローマ

これも性感染症に分類されるもので性行為によって感染がおこります。
感染すると外陰部や肛門周囲にイボができますが、痛みやかゆみはほとんどありません。
これも産道に病変がある場合は赤ちゃんへの産道感染の危険性があることから、帝王切開が選択される場合があります。

◆麻疹(はしか)

感染力が非常に強い感染症で、風邪のような症状の後に発疹が現れます。妊娠中に感染すると流産や早産の危険性が高まります。妊娠中は予防接種ができませんので、妊娠前の予防接種をご検討されてはいかがでしょうか。また、流行がおこってきている場合は人込みを避け、マスクの使用、うがい・手洗いの徹底を心掛けましょう。

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心地よい時間を重ねましょう

お腹に宿る大切な命、かけがえのない命、この子のため何でもしてあげたい。母として少しでも子どもに良いことをしてあげたい。「赤ちゃんのための食事、赤ちゃんのためのウォーキングをしなくちゃ・・・・・」その気持ちはとっても良くわかります。とっても大事です。

でも、すべて完璧にしようとしなくても大丈夫。安心してください。その気持ちはお腹の赤ちゃんが一番よくわかってくれています。
だって、お腹の赤ちゃんはママの鼓動を直に感じて反応しています。ママがドキドキすれば、赤ちゃんの心臓もドキドキとっても早くなります。ママの鼓動がゆっくりになってママが眠たくなると、赤ちゃんの鼓動もゆっくりで安定してきます。本当に何でもママと一緒です。だから、安心してのんびり、気楽に過ごしましょう。

「赤ちゃんのために何をしたら良いですか?」たくさんのママからこの質問をいただきますが、答えは1つ「ママが心地よいと思う事をしてください。」毎日の生活で、たくさんの心地よい時間を見つけ、増やしていくことが一番、赤ちゃんのためになります。

まとめ

妊娠・出産・育児はとても個性的なもの。先輩ママやお友達、家族からのアドバイスでさえいろいろで迷ってしますよね。
特に、健康のことはいろいろと不安になってしまいがち。
今回は、「病院で聞いてきたけど忘れちゃった」「こんな事聞いていいのかわからない」そんな時にちょっとヒントになる専門家としての意見をまとめました。ぜひ参考にしていただければと思います。

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