胎教は父親にもできる?妊娠中にパパができることって?


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胎教って本当に効果あるの?父親の声はいつから聞こえる?

胎教は母親がするものと思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、パパも胎教で妊娠期から子育てをすることができます。パパが積極的に胎教をしたお子さんは、生まれてすぐにパパと目を合わせ懐きますし、「パパから生まれた」と言う子もいるくらいです。お腹に居る時から絆づくりをしっかりすれば、赤ちゃんにもママにも信頼され、授乳以外は何でもできるスーパーイクメンになれること間違いなしです。

そうは言っても、パパの場合は自分のお腹の中に赤ちゃんがいるわけではないので、自然とお腹をさするママに比べて、なかなか行動するまでに至らないかもしれません。実際に胎教の効果を信じられるまでは、ママのお腹に話しかけたり、お腹を撫でたりなんてとてもできない!という方もいらっしゃるでしょう。「胎教は本当に効果があるのか?」との疑問を持っている方には、まず「カイワレの実験」のお話をしましょう。

カイワレの種をABCの3つのグループに分けます。Aには毎日「すばらしいね、きれいだね」と愛の言葉をかけます。Bには「馬鹿・死ね」とネガティブな言葉を、Cには声掛けをしません。すると、Aは問題なくすくすくと元気に育つのですが、BとCはAほど成長しません。ではBとCでは、どちらのほうが育つと思いますか?これはBの方が育つのです。Cは芽を出すものの非常に育ちが悪くなります。言葉かけをした水を凍らして顕微鏡で観察する実験でも同様の結果です。Aの水はとっても美しい結晶を作り、Bはゆがんだ結晶、Cに至っては組織が壊れ結晶にならないのです。

私たち人間もカイワレ同様、細胞でできた生物、そして70%以上が水。言うまでもなくお腹の胎児は羊水という水に覆われていている上に、体のほとんどが水で構成されているのです。言葉の影響力とは、大きいものです。

いかがでしょう?愛の言葉をかけてあげたくなりませんか?胎児の聴覚は6カ月頃から聞こえています。ぜひ恥かしがらずにお腹をさすってあげながら「お父さんだよ~我が家の子になってくれてありがとうね~うれしいよ~」などと優しく明るい愛情にあふれた声をかけてあげてください。回数を重ねるうちにお腹の赤ちゃんが反応してくれるのがわかるようになります。そのときの感動は親でなければ味わえない貴重な体験になるでしょう。

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パパの胎教、どうやってはじめればいい?

ここまで読んで頂くとお気づきになるかと思いますが、パパの胎教は、耳が聞こえるようになるまで何もすることが無いかと言うとそうではありませんね。命が宿ったその瞬間から、成長は始まります。カイワレや水の話でもわかるとおり、美しい愛の言葉は細胞に直接働きかけ、健康な心身、脳の成長を促します。そうは言っても、母体のお腹が大きくなるまで、実感がわかないこともあるでしょう。そんな時でも確実にできるパパの胎教は、「ママに愛情を言葉で伝え、大切にしていることを態度で示す」ことです。これはお母さんと胎児の生理的機能を知るとご納得頂けるでしょう。

母親と胎児は胎盤という器官で血液をとおして、栄養やホルモンを共有しています。私たちが心にあると思っている感情は、実はホルモン分泌によって脳で認識しています。ですから、例えば母親が「幸せ!」と思った時は、血液と共にホルモンが赤ちゃんにも運ばれるので、赤ちゃんも「幸せ!」と思うのです。この「幸せ」という感情を伝えるホルモンが血中にある時、生命体は安心安全な状況であることを察知し順調に成長します。赤ちゃんの脳は受胎後すぐに細胞分裂を始めますから、妊娠が判明する前から母になるパートナーが幸せになるよう接することができれば、赤ちゃんの脳の発達に貢献することは間違いないでしょう。もちろん妊娠に気付いた時からは、ぜひママの体調や気持ちを気遣ってほしいですね。

ママと協力してできるおすすめの胎教法は??

胎内記憶の研究されている池川明先生の著書では、「パパとママの話している声が聞こえたよ」とか「パパとママが『するするぽんって生まれてきてね』って言ってた。」などと言う子についての体験談が紹介されています。逆に精神病の患者さんを調査すると胎児期に両親が不和の確率が高いという報告もあります。まずは夫婦仲良くすることが、胎教の基本ですね。

その上で夫婦協力してできる胎教というと、パパとママが楽しく会話することはもちろんですが、たとえば、夫婦一緒においしい食事を楽しんだり、空気の美味しい自然の豊かな場所に出掛けてのんびりしたり、庭園を散歩したり、美術館で美しい芸術に触れたりするのはお勧めです。ママが満ち足りた気分になる時、赤ちゃんの脳は気持ちの良い外の世界を感じ取りながら、どんどん脳の神経細胞を発達させていきます。

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本読みや語りかけって効果ある?パパはどんな言葉をかけたらいい?

「本読み」や「語りかけ」をするという行為は、赤ちゃんの存在を肯定し愛情を注いでいる証しです。パパが「本読み」や「語りかけ」をしたとき、まず妻が夫に対して信頼や愛情を感じ、その気持ちが赤ちゃんに届くのは先述のとおりです。ママがリラックスできる時が効果的なタイミングです。就寝前など落ち着ける時間に取り組むと理想的ですね。

「語りかけ」はママの気持ちも良くしてあげる気持ちで語りかけると効果絶大です。その上で赤ちゃんが大切にされていると感じられる言葉が理想的ですね。例えば、「美人で優しい素敵なママのところに生まれるなんてラッキーだね。賢いね。恵まれている子だね。」など最高ですね。「パパとママを選んでくれてありがとう」「大好きだよ」など挨拶のように毎日声掛けしてあげるのもとてもいいですね。

「本読み」は、同じ言葉の繰り返しや、簡単な言葉で構成されている絵本を選ぶと良いでしょう。視覚だけでなく、嗅覚、聴覚、触覚、味覚などを刺激する内容のものがお勧めです。例えば、果実の絵本を開いた時、実際に手元になくても味や感触がイメージできますね。ママが感じることは赤ちゃんも感じていますから、繰り返し読み聞かせてあげることで、脳の発達につながります。いろいろな本をたくさん読むよりは、同じ本を繰り返し読んであげるほうがよいでしょう。脳は繰り返しが大好きなのです。抑揚をつけたり、いつもより声のトーンを上げたり、パパ独特の読み方も赤ちゃんの喜ぶ刺激になります。またお腹に手を当てたり、ママと身を寄せ合って読んであげると、ママのリラックス効果も高まり、お腹の赤ちゃんも一層パパを身近に感じてくれることでしょう。

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英語ができる子に育てたいパパが妊娠中にできる教育法は?

パパがお子さんに英語を楽しんでもらいたいと思っているなら、「パパとの英語の時間は楽しい!幸せ!」と感じる機会をたくさん作ってあげると良いですね。ディズニーの音楽を英語で一緒に聞いたり、語りかけの挨拶を英語でしたり、アルファベットのカードを用意してママと一緒に指でなぞったりするのも楽しそうですね。ママと赤ちゃんが疲れない程度で胎教に取り入れると良いでしょう。

注意したいのは、胎教で知育を取り入れる時には、必ず親の愛情が伝わるようにすることです。英語を機械的に聞かせ脳にインプットさせることは不可能ではないかもしれません。でも胎教に外せない要素は親と子のコミュニケーションです。実際、愛の無い脳への刺激が続くと精神障害の子が生まれる確率が高くなるという報告があります。それではせっかくの英語も楽しむどころではなくなってしまいますからね。

パパの胎教=ママを大事にすること

ここまで読んで下さった男性の、「子どもに何かをしてあげたい!」気持ちは父性が育っている証拠で、とても素晴らしいことですね。子供は親からの優れたDNAを受け継ぎ、さらに進化した素晴らしい才能を持って生まれてきます。その才能を発揮する為に必要な「良く機能する脳」、「健康な体」、「親の愛により勇気と自信にあふれた心」の基盤をつくることは、私たちが知っている何かを教えるよりも、ずっと進化した才能を開花させる助けになります。

そのためにパパにできることは、胎児の脳・体・心が育つ環境である母親を心身共にベストな状態になるようサポートすることなのです。出産までおなかの赤ちゃんを任せきりにするのではなく、一緒に妊娠期を過ごす姿勢が大切になってきます。

例えば「妊娠は病気ではない」ですが、妊婦さんの体は病気以上に体が変化します。体への負担は骨折や胃潰瘍の比ではないのに普通の生活をしなければなりません。5kgの米袋を持ったことがあるでしょうか?それ以上のものが下腹部に入った状態で日々の生活をこなし、病気じゃないからといって仕事に行く。ご自身の身に置き換えて一度考えてみると、サポートすべき点が見えてくるかと思います。赤ちゃんに何かをしてあげる前に、ママの心身を気遣ってあげてくださいね。

ママを気遣うパパの下に生まれたお子さんは、必ずパパが大好きになります。理由はもうおわかりですよね?ママの感情=赤ちゃんの感情です。赤ちゃんにだけ良い言葉をかけても、それを聞いているママが不愉快だったら赤ちゃんも不愉快なのです。夫婦仲良く、パパはママに優しく、ママはパパに甘えてリラックスして赤ちゃんに良い環境を作ってあげましょう。

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まとめ

いかがでしたか?パパの胎教とは、実はママに対する愛情抜きには語れないのですね。まずはママをサポートし、幸せな気持ちにさせてあげてください。健康で頭も良く、パパを大好きなベビーの誕生を望むのであれば、パパは毎日せっせとママを喜ばせて下さいね。

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