22 Oct 2016
目次
ベビーフードって何?
ベビーフードは離乳期に使用する食品です。ベビーフード協議会によるベビーフードの定義では、「赤ちゃんの発育のための栄養補給や普通の食事に適応することを目的とした食品」となっています。
離乳食の開始は生後6ヶ月が最も多く、離乳食の完了は生後13~15ヶ月が最も多いため、およそ10ヶ月間が離乳期の食事となります。ベビーフードには、この間の発育段階に合わせた様々な種類のものが販売されています。
ベビーフードのメリットは?
◆塩分・固さが配慮されている。
・塩分については生後12ケ月までの赤ちゃん用に作られた商品は0.5%以下、12ケ月以降の商品は約0.7%以下に設定されているため、塩分の過剰摂取を防ぐことができます。
・固さについては離乳のステップに応じて調節され、なめらかにすりつぶした状態、舌でつぶせるかたさ、歯ぐきでつぶせるかたさ、歯ぐきで噛めるかたさなど様々な物があります。
◆安全性が高い
ベビーフードには、ベビーフード協議会による自主規格によって安全性、衛生管理が守られています。
・食品添加物については必要不可欠な場合に限り、最小限の使用に止めています。また、使用できる添加物を限定しています。(ベビーフード協議会が使用できる添加物のリストを表示しています。)
・衛生管理に関しては微生物や重金属、外因性内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)などを防ぐため、それぞれに基準を設けて管理しています。
・残留農薬については食品衛生法の遵守、特定農薬については別途基準値を設けて管理しています。
・遺伝子組み換え食品については法律で表示義務のある遺伝子組み換え食品の使用は認められていません。
・乳児が摂食すると危険だと言われている「はちみつ」は使用してはならないとされています。
・商品表示については適性かつ、お客さまにとって親切でわかり易い表示のため、表示に関する取り決めを行っています。
◆簡単で便利
・開封後、そのままあげられる。温めるだけ。お湯や水に溶かすだけ等、調理が簡単で、時短、省エネになります。
・外出時、多忙時など、いざという時の負担を軽減してくれます。
◆様々な種類がある
・市販されているベビーフードはおよそ500種類以上あります。
・大きく分けて2種類のベビーフードがあります。(「ドライタイプ」;水やお湯を加えて用いる、「ウェットタイプ」;そのままあげられる)
◆少量の使用が可能
・個別包装されており、量の調節が可能です。
・野菜・レバー・魚など、生では処理が必要な食品も手軽に使用できます。
ベビーフードのデメリットは??
◆費用がかかる
安全性や衛生管理が重視されており、多くの費用や労力がかかっています。そのため、1食にかかる費用も手作りや一般的な食品よりも多くなります。
現在は安価で販売しているベビーフードもありますが、賞味期限やメーカー等をきちんとチェックして購入する必要があります。
◆原材料について不明な場合もある
ベビーフードは、協議会による厳しい規格はあるものの、原材料については詳細表示がされていないこともあり、不明点が多くあります。また製造過程が見えない為、作業工程は見えていません。最近ではベビーフードに異物が混入し6万食を回収する事例も発生しています。
また、過去にはベビーフードのレトルトパックに害虫が混入し、回収する事例もありました。厳重に注意していても製造側の100%の安全保証は難しいと言えるでしょう。利用する側が安全性を確認し、お助け食品として利用するのが良いと考えられます。
◆添加物が全く0ではない
食品添加物については必要不可欠な場合に限り、最小限の使用に止めているとされていますが0ではありません。
気になる場合は表示を見て、添加物について確認する必要があるでしょう。
◆量や好みが合わない場合も
1歳前後になると体も大きくなり、赤ちゃんによっては1食分では量が足りないという意見も多くあります。 また、赤ちゃんは味覚に敏感であり、少しの変化に気づくため、子どもによってはベビーフードを好まない場合もあります。「色々試したけど食べなかった」「1口しか口にしない」など赤ちゃんによっては口に合わないようです。
ベビーフードばかりじゃダメ?
便利なベビーフードですが、愛情については手作りにかなわないところがあり、中には手作り離乳食しか受けつけない赤ちゃんもいます。ママにとってはやや困りごとですが、喜ばしいことでもありますね。やはり、時間や手間をかけた手作りの離乳食にはそれだけ愛情がこもっているのです。
平成17年度の乳幼児栄養調査(厚生労働省)では、離乳食でベビーフードをよく利用した場合、は1歳越えてからの偏食や遊び食いなど、食事の困りごとが4~5割と高い確率で見られるという調査結果もあります。
ベビーフードの上手な取り入れ方は??
◆手作りと併用する
ベビーフードばかりにならないように手作りと併用することはおすすめです。例えば、主食は手作りにし、おかずは1品ベビーフードにする、野菜の裏ごしはベビーフードを使って時短するなど工夫して利用してみましょう。
◆時々ベビーフードを利用する
普段は手作りにして、忙しい時だけベビーフードにするということもいいでしょう。例えば、朝と夜は手作りにして、お昼ご飯だけベビーフードにするなど時々利用すると、気持ちが少し楽になるかもしれません。
◆外出時にベビーフードを持参する
水分の多い離乳食はそのまま持ち出すと傷みやすいので注意が必要です。そのため、外出時は衛生面を配慮し、ベビーフードを持参するといいでしょう。ドライベビーフードとお湯を持っていくなどして、お出かけに活用してみてください。
◆用途に合わせて上手に選択を
ベビーフードには、そのまま主食やおかずとして与えられるもの、調理しにくい素材を下ごしらえしたもの、家庭で準備した食材を味付けするための調味ソースなど多様な種類があります。外出や旅行のとき、時間の無いとき、メニューを一品増やす、メニューに変化をつけるときなど、用途に応じてどの種類が適切かを考えて選択しましょう。
また、不足しがちな鉄分の補給源として、レバーなどを取り入れた製品の利用も有効ですので、検討してみるといいでしょう。
ベビーフードについての注意点は??
厚生労働省よりベビーフードを使用する際の留意点が示されています。
◆子どもの成長に合った固さを確認する
子どもの月齢や固さに合ったものを選び、与える前には1口食べて確認をすることが大切です。
子どもに与える前に一口食べてみて、味や固さを確認するとともに、温めて与える場合には熱すぎないように温度を確かめるようにしましょう。
さらに、子どもの食べ方を見て固さ等が適切かを確認すると安心です。
◆料理名や原材料が偏らないように
離乳食が進み、2回食になったら、ごはんや麺類などの「主食」、野菜を使った「副菜」と果物、たんぱく質性食品の入った「主菜」が揃う栄養バランスの良い食事内容に気をつけましょう。
料理名や原材料を確認して、穀類を主とした製品を使う場合には、野菜やたんぱく質性食品の入ったおかずや果物を添えるなどの工夫をしてみてください。
◆開封後の保存に注意
ベビーフード(特に乾燥品)は開封後の吸湿性が高いため、開封したものは、早めに使い切ってしまいましょう。
また、瓶詰やレトルト製品も開封後すぐに食べるようにし、食べ残しや作りおきは与えないでください。
与える前に別の容器に移して冷凍又は、冷蔵で保存することができるものもありますが、表示(注意事項)をよく読んで適切な使用を心がけましょう。
◆子どものアレルギーや好みなどについて配慮する
製品のアレルギー食品使用については表示をよく見て使用しましょう。
初めて与える食材を含む製品を使用する時はできるだけ平日午前中(かかりつけの病院の診察日)に与えるようにしましょう。万が一、アレルギー反応の症状が現れた場合に病院への診察が可能です。
また、子どもが嫌がる場合は無理に与えないということも大切です。製品によっては味に慣れないために子どもが拒否する場合もありますし、お腹が減っていなくて、ほとんど食べないということもあります。少しずつ与えて様子を見ましょう。
子どもが嫌がる場合は、無理に使用せずに食べられるものを与えましょう。
ベビーフードを使った簡単アレンジは?
◆離乳食初期(5~6ヶ月頃)
・野菜のうらごし(ベビーフード)をおかゆに乗せる
・魚のうらごし(ベビーフード)を煮たうどんに乗せる
◆離乳食中期(7~8ヶ月頃)
・ソース、あんかけ(ベビーフード)をおかゆや豆腐にのせて加熱する
・野菜と魚(ベビーフード)をだし汁でのばし、水溶き片栗粉でとろみをつけてスープにする
・プレーンヨーグルトにフルーツのうらごし(ベビーフード)を乗せる
◆離乳食後期(9~11ヶ月頃)
ベビーフードと卵、チーズ、ヨーグルトなどのたんぱく質と組み合わせておかずの1品にすると簡単においしい離乳食ができます。
・スクランブルエッグ:煎り卵+トマトソース(ベビーフード)
・ドリア:おかゆ+ホワイトソース(ベビーフード)+チーズ
・サンドイッチ:食パン(耳なし)に野菜ペースト(ベビーフード)を挟む
◆離乳完了期(1歳~1歳6ヶ月頃)
・白身魚+トマトソース(ベビーフード)
・焼いた豆腐+中華あんかけ(ベビーフード)
・オムカレー:カレー(ベビーフード)と軟飯を混ぜる。薄焼き卵で包む。(卵はしっかりと火を通す)
・お手軽シチュー:ホワイトソース(ベビーフード)と牛乳を小鍋で加熱する。ゆでたササミ肉、ゆで野菜と一緒に煮る。
・丼もの:軟飯に温めた肉じゃが(ベビーフード)を乗せる。ゆでて小さく切った青菜(ほうれん草や小松菜など)をちらす。
おすすめの市販品ベビーフードは?
◆キューピー瓶詰ベビーフード
おかゆ、ドリア、うどん、ご飯などバリエーションが豊富なベビーフードで、全42品あります。このベビーフードは、透明の瓶からで中身が見え、具材の大きさなどが確認でき、そのまま食べさせやすいという点でおすすめです。
食物アレルゲン7品目(卵、乳成分、小麦、えび、かに、そば、落花生 )が不使用で長期保存も可能です。特にうらごし野菜は素材の味がそのまま味わえて、子どもが食べやすいので、使い勝手がいいと思います。その中でも「かぼちゃとさつまいも」は、自然な甘さで赤ちゃんが好んで食べてくれます。また、「北海道産コーン」は、他の野菜に乗せたり、スープにしたりしてアレンジが可能です。
◆有機まるごとベビーフード(いてふや)
薬局やネットショップ、オイシックスなどで購入可能です。こちらも瓶詰で、そのままあげられるので手間がかかりません。ごはんシリーズ、おかずシリーズ、野菜、果物、スープシリーズと種類も多様。遺伝子組み換え農作物、添加物、化学調味料、エキス類は不使用。食材は国産、有機、無添加にこだわっていて、放射性物質検査もされています。ママたちにも人気があり、「安心して与えることができる」「量もたっぷり」「子どもがパクパク食べてくれる」と好評です。
まとめ
ベビーフードは便利で忙しいママの味方であるため、今では多くの家庭で一般的に使用されています。しかしながらメリットがある一方でデメリットもあります。全面的にベビーフードに頼ることにはリスクもあるということを心に留めておきましょう。離乳期は長いようで短い期間です。そして赤ちゃんの味覚が発達する大事な時期でもあります。
ベビーフードは手作りと共に上手く取り入れて、家族みんな笑顔で離乳食期を過ごしていきたいですね。
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