妊娠中期のおりもの変化!もしかして異常?量は多い?色の変化は?


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妊娠中期はおりものの量が多いもの?

妊娠中は、エストロゲンの作用により、誰しもおりものが増加しやすい傾向にあります。妊娠中のママの体は、おりものを分泌することで、膣内への細菌侵入を防いでくれているのです。

また、妊娠にともない新陳代謝が活発になるため、老廃物の排泄も増加します。そのため、ショーツ内の湿度は高くなりやすく、細菌が繁殖しやすくなるため、頻繁にショーツを変えるなど、清潔に保つことが大切です。

妊娠中期以降、膣内の自浄作用によりおりものは増えていきますが、おりものシートがトイレ毎にかなり濡れるようであれば、異常である可能性がありますので、産婦人科受診をされたほうがよいでしょう。

また、妊娠中期以降は腹部も大きくなり、下半身も圧迫されるようになります。そのため、尿漏れをしてしまうことがあります。尿漏れの場合は、水っぽく、黄色っぽいことが多いです。通常のおりものは、卵白のようにドロッとしていて、白色や透明であることが多くを悪臭を伴うことはありませんので、見分けを付けられるかと思います。shutterstock_159817589

色の変化は?血液が混ざってピンクやオレンジになるのは心配すべき?

◆ピンク・オレンジ・薄茶色のおりものは出血が原因

妊娠中は、ごく少量のピンク色のおりものや薄茶色のおりものがでることがあります。特に妊娠初期は、赤ちゃんを作るために細胞が増殖し始めます。そのため、毛細血管が活発にできあがっていきます。

毛細血管はとても弱く、破れやすいために、おりものに少量の血が混じることがあります。ですが、毛細血管はすぐに止血するので、濃い血液が多量に混じったりすることはありません。また、少量でも下腹部が痛んだり、毎回血交じりのおりものが出たりするようであれば、産婦人科を受診したほうがよいでしょう。

また、血液が酸化すると、茶色になります。ですので、少量の茶色いおりものであれば、出血してから少し時間がたったものが出ていると考えられ、大きな心配はいりません。

◆黄色・黄緑のおりものは要注意

黄色や、痰黄色、黄緑色のおりものが出ているときは注意が必要です。感染によるものである可能性があるからです。感染症として考えられる疾患は主に2つあります。

1つめはクラミジア感染症です。クラミジア感染症は、性感染症の中では一番多い疾患で性行為によって感染します。子宮頸管炎(子宮下部の膣とつながっている部分の炎症)を起こしますが、多くは無症状であることが多く、妊娠時の採血によってわかることも多いです。

また、この病気は、悪化して卵管炎や子宮内膜炎を起こすと繊維性または、膜様癒着を生じ、下腹部痛を起こしたり、不妊の原因になったりします。妊娠中であれば、流産や早産の原因となることがありますが、頻度はそれほど多くありません。

ただし、クラミジアは経腟分娩のときに母子感染することがあります。母子感染すると、25~50%の頻度で新生児結膜炎が生じるとされ、10~20%に新生児肺炎を起こすといわれています。クラミジアは抗生剤の内服で陰性化するとされており、妊娠中に服用できる抗生剤もあります。

2つめはトリコモナス膣炎です。これも性感染症のひとつです。外陰部にかゆみがあり、悪臭のある黄色~黄緑色のおりものがでます。また、泡沫状のおりものがでることもあります。基本的には、抗菌剤の内服で治療しますが、妊婦の場合は膣錠を用います。トリコモナスも母子感染すると言われていますが頻度は0.1~0.5%程度です。
この2つは性感染症であるため、パートナーの治療も必要となってきます。

粘りがある・ポロポロは大丈夫?心配すべきおりものの変化は?

妊娠中は、比較的おりものが増えますが、おりものの状態についてはどうでしょうか。おりものは卵白のように粘っこいものであったり、少しさらっとしたり人によっても違います。白色や透明のものが少量であれば、生理的範囲と考えていいでしょう。
ポロポロとした白いおりものやヨーグルトみたいなおりものが出る場合はカンジダ膣炎の可能性が高いでしょう。

おりものでかゆい原因はカンジダ膣炎?

カンジダ膣炎は膣の強い痒みが特徴です。カンジダはカビの一種です。通常、成人女性の膣内のpH(※)は4.0~5.0ですが、妊娠中は、細菌の繁殖を防ぐために膣内のpHは4.0前後になり、酸性に偏ることが多いです。しかし、カンジダ菌は酸性の環境を好むため、妊娠中にはカンジダ膣炎になりやすいのです。

カンジダ膣炎の方の中には、痒みで眠れないなど、日常生活で困ることもあるようです。カンジダ菌は湿った環境を好むので、汚れた下着は頻回に変えるなどして、清潔に保ちましょう。また、おりものシートは蒸れやすいため、布ナプキンを使用し、こまめに陰部を洗って清潔な状態をキープしましょう。
また、カンジダ膣炎は自分で治すことは難しいので、病院で膣剤を入れてもらったり、抗真菌薬を処方してもらいましょう。

※Ph…酸性・アルカリ性を示す値shutterstock_397798444

臭いがきつくなるのは異常?

おりものの臭いがかなり生臭くなったり、すっぱい臭いが急に強くなるのはよくない兆候であると言えます。感染の危険が高いため、陰部を清潔に保ち、妊婦健診のときに相談しましょう。

感染症の中で特に気をつけたい病気は、絨毛膜羊膜炎です。これは、膣内の細菌が子宮の入り口まで入り込み炎症を起こしてしまいまうことが特徴です。切迫早産の危険が高くなるため、注意が必要です。おりものに異臭がしたり、黄色、黄緑色のおりものがでるなど、いつもと違うようであれば診察時に相談し、デリケートゾーンを清潔に保ちましょう。

まとめ

妊娠後おりものは、生理的に増える傾向にあります。特に症状がなければ様子をみていても問題ないでしょう。しかし、その中にも異常なものが潜んでおり注意が必要です。おりものの増加は、感染の危険が高まるため、デリケートゾーンは常に清潔に保つよう気を付けておきましょう。

妊娠すると、今までと違う身体の変化が次々と起こってきます。普段、自分の身体に意識を向けることは少ないと思いますが、妊娠を機会に、自分の身体と対話することを心掛けてみてください。おりものに関しては、他人に相談しにくい内容であるのかなと感じていますが、不安に感じることは、病院の助産師や医師、先輩ママに聞いてみてくださいね。shutterstock_215975359

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