26 Aug 2016
アレルギーの原因は何?
人間には、自分の体を守るために、外から入ってきた異物を排除しようとする免疫というしくみがあります。これは、細菌やウイルスなどから体を守ってくれるとても重要な働きです。しかし、これが過剰に働いてしまうと、食べ物や花粉など 体に害のないものにまで反応してしまうことがあります。
これがアレルギーです。
アレルギー反応を引き起こす原因となる物質のことをアレルゲンと呼びます。
アレルゲンは私たちの生活環境のいたるところにあります。小麦・大豆・鶏卵・乳製品・魚・ピーナッツなどのナッツ類・イクラ・果物などがあり、その他には家のほこりやダニ、浴室や洗面所などのかび、花粉、ペットで飼っている動物のフケや毛などや昆虫もアレルゲンとなります。
アレルギーにはどんな種類がある?
アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎があります。
アレルギーは、ずっと同じ症状が続くわけではなく、年齢が大きくなるにつれて変化していくことがあります。
アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの赤ちゃんが、2歳を過ぎた頃から、息がぜいぜいして気管支喘息と診断されたり、小学生になると目が真っ赤になってかゆくなり、アレルギー性結膜炎と診断されたりします。また、ある時から突然鼻水や鼻づまりがひどくなりアレルギー性鼻炎と診断されるという経過をとることもあります。
アレルギーの症状や種類別の特徴は??
◆食物アレルギー
食べたものが原因となっておこるアレルギーです。
赤ちゃんは消化管の働きが未熟なために、食物の中のたんぱく質を、完全に小さな分子まで分解しきれないため、大きな分子のまま消化管から吸収してしまいます。そのためにアレルギー反応を起こします。皮膚症状としては、かゆみ、口の周りや眼の周りがはれる、ぶつぶつなどの発疹があります。消化器症状は、嘔吐や下痢、腹痛が代表的です。
呼吸器症状は、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、のどがイガイガする、咳込む、ぜーぜーいう、声がかすれる、息をするのが苦しいなどがあります。
それぞれの臓器に症状がたくさんあらわれて、全身にアレルギー反応が出てくるものがアナフィラキシーです。
特に、血圧が低下したり、意識がなくなるなどの状態はショックと呼ばれ、命にかかわる危険な症状ですので、このような状態にならないように日ごろから口にするものに注意する必要があります。
◆アトピー性皮膚炎
赤ちゃんの皮膚に強いかゆみを伴う湿疹が見られ、よくなったり悪くなったりを繰り返しながら経過します。ジクジクした赤い発疹が、顔(ほお、ひたい、目のまわり)・関節(ひじの内側、ひざの裏側)・耳(耳のつけ根がただれて切れる)などに生じ、ときとして体中(首、せなか、おなか)に広がります。
1歳をこえると湿疹はだんだんかさかさし、ざらざらした感じになります。かゆみが持続し、かくことによって症状が悪化します。
◆気管支ぜんそく
アレルゲンを吸い、空気の通り道である気管支にアレルギー反応が起きます。気管支がせまくなって息がしにくくなります。息を吐く時にゼイゼイやヒューヒューという音がし、息が苦しくなります。また、はげしい咳を繰り返すことも特徴です。
◆アレルギー性鼻炎
アレルゲンが鼻に反応すると、くしゃみや鼻みず、鼻づまりなどの症状を引き起こします。
◆アレルギー性結膜炎
アレルゲンが目に反応すると、目がかゆくなったり、真っ赤になったりします。
子供がアレルギーかどうかチェックする方法は?検査はどんなもの?
◆血液検査
アレルゲンに対する血液中の抗体量を調べるものです。卵黄や卵白、大豆や牛乳、ダニやほこりに対する特異的な抗体を検査します。
◆皮膚テスト
直接アレルゲンの疑いのある物質と皮膚を反応させる検査です。プリックテストやパッチテストや 皮内テストがあります。
◆食物除去試験
アトピー性皮膚炎の原因として食べ物が疑わしい時、その疑いのある食べ物を数週間食べないで、湿疹が改善するかどうかをみます。
◆食物負荷試験
疑わしい食べ物を食べて、実際にアレルギー症状(ぶつぶつが出たり、おなかが痛くなったり、息がぜーぜーするなど)が出るかどうかを調べます。
少しずつ食べて、量を増やしていき、どの量でアレルギー症状が出たのかを確認することもできます。症状を引き起こす量などがわかるので、どのくらいまでなら食べられるのかもわかります。
血液検査や皮膚テストだけでは、必ずしも症状がアレルゲンによるものであるとは決まらないこともあり、そんな時にはとても役立つ検査です。また、アレルギーだと思っていて食べられなかったものが検査してみると本当は食べることができるというケースもあるので、原因の特定に役立ちます。
ただ、重大な副作用がでることもあり、医師と相談しながら進めていくことが大切です。
まとめ
アレルギーの病気には、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎があります。それぞれに診断のための検査があります。
また、治療法も重症度などを参考に決めていきます。
アレルギーは、親から子に遺伝することもありますが、そうでないこともあります。世の中には様々なアレルギーに関する情報があふれかえり、みなさんのお子さんの症状がアレルギーなのかどうか判断するのは非常に難しいことです。迷ったり、悩んだりした時は、ぜひアレルギー専門の小児科の先生に相談してください。
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